更新日:2017年12月18日 (公開日:2015年08月24日)

あなたがもし、妊娠中だったり授乳中だったりしたら、リレンザを服用しても問題ないのでしょうか?お腹の胎児に影響が出たり、母乳に薬の成分が混ざったりしないのでしょうか?妊婦や授乳婦への影響に関して、タミフルの添付文書や日本産科婦人科学会のリリースを参照しながら紹介していきます。

リレンザの妊婦への影響

インフルエンザ感染症は、インフルエンザ・ウイルスが原因で発症する病気です。38度以上の高熱やのどの痛み、関節痛など、特徴的な症状が出ます。妊娠をしている場合には、お腹の胎児のためにも、早めに治療をしておきたいものといえます。

病院にかかった場合には、インフルエンザの予防や治療に効果のある、リレンザのような抗インフルエンザ薬を投与されます。胎児や母体への安全性がしっかりと保たれているかどうかは気になるところでしょう。

リレンザが飲めないのは、過去にアレルギーを起こした患者だけ

リレンザの添付文書や医薬品インタビューフォームをみてみると、禁忌の項目には過敏症の既往歴(アレルギー症状を起こしたことがある)とだけ記載されています。妊娠中の女性や授乳中の女性とは記載されていないので、妊婦でもリレンザは服用できます。

添付文書に記載された妊婦への投与について

「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項目のなかでは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与することができる、と記載されています。

出産を心待ちにする妊婦

リレンザは、妊娠中の女性に対する治験データがないため、明確に「安全」とはいい切れません。とはいえ、危険というわけでもないのです。リレンザを飲まないでお腹の胎児に悪影響が出るリスクよりも、治療してしまうメリットのほうが上回ると思ったときに使ってよい、というわけです。ねずみやうさぎを使った動物実験で、リレンザの成分が胎盤を通過したことが確認できたものの、結果をそのまま人間に当てはめていいわけではありません。妊娠していても、必要なときにはリレンザを飲む、という判断は可能です。

リレンザを服用しても胎児には問題なかった

2009年に日本産科婦人科学会が出したお知らせには、妊婦のリレンザ服用に関して、もう一歩踏み込んだ内容が書かれています。

2008年に4万人の妊婦がリレンザやタミフルを服用したものの、胎児に問題はありませんでした。リレンザを服用した妊婦77例のうち、早産(5.2%)、低出生体重児4例(5.2%)などが報告されているものの、一般の妊婦で自然に起きている確率よりも低かったということです。リレンザを使用したことにより胎児への危険性よりも、解熱や治癒が早まるほうがメリットが大きいと結論づけています。

リレンザと解熱剤の併用はストップ!

リレンザは特に併用禁忌薬についての定めがありません。いっしょに飲んでも危険な薬というものはないことになります。

しかし、インフルエンザの感染でロキソニンやバファリンのような解熱鎮痛剤を使用することは、避けたほうが無難といえます。

ロキソニンやバファリンのような鎮痛剤については、インフルエンザ脳炎やライ症候群などの危険性が指摘されているからです。正確には同じバファリンでも小児用は配合成分が異なるため危険性が緩和されるなどの細かな条件はありますが、一般人にはそうした見分けは困難です。

また、抗アレルギー薬はけいれん防止のため処方されることもありますが、基本的に抗アレルギー薬のような特殊な薬の服用は、家庭で判断するのではなく、医師の指示に従う方が賢明です。

牛乳(乳製品)アレルギー患者は、リレンザの服用に細心の注意を!

2015年8月、リレンザの「慎重投与、重要な基本的注意」の項目が改訂され、乳製品に対するアレルギー患者への注意事項が追加されました。

リレンザには添加物として乳糖が使用されています。乳糖(ラクトース)とは、哺乳類の出すミルクには必ず含まれている糖分のことです。もちろん人間の母乳のなかにもある成分です。

実は医薬品などに使用される不純物の少ない乳糖にも、0.3%ほどの微量の乳蛋白が含まれていることが厚労省の調査で分かっています。このため、乳製品に対してアレルギー(過敏症)のある患者はリレンザを慎重に使用すること、という注意喚起の一文が添付文書に書き加えられました。

過去に牛乳などの乳製品に対してアレルギー症状が出た患者がリレンザを使用した際に、薬に含まれる乳糖が原因ではないかと考えられるアナフィラキシーショックの症状(1例)があったと報告がありました。

リレンザを服用した際に、手や足の指などが赤く腫れ上がったりする、身体が痒くなったりする、などの症状が出た場合は、乳製品のアレルギー症状の可能性も考えられます。事前にアレルギーが分かっている場合は、服用する前に必ず医師に相談しましょう。