更新日:2017年12月17日 (公開日:2015年08月24日)

インフルエンザにはリレンザとタミフルではどちらが効果的なのでしょうか?健康保険は使えるのでしょうか?病院で実際に処方をおこなう医師の意見も参考に、リレンザの病院処方についてまとめました。

インフルエンザの治療に、リレンザの処方を受ける

インフルエンザの治療を目的にリレンザを処方してもらうには、体調が悪い自身の症状を申告します。また同居の家族などで既にインフルエンザウイルス感染症にかかった人物がいれば、そのことも申し出る必要があります。

病院ではインフルエンザの診断キットを使って、インフルエンザの型(A型、B型)を判断します。リレンザはA型、B型、どちらのインフルエンザにも効果を発揮します。特にB型のインフルエンザに対しては効果が高く、タミフルやイナビルと比較しても、リレンザの方が解熱時間が有意に短いという結果も出ています。

参考:吸入型抗インフルエンザ薬ザナミビルの吸入後早期における臨床効果の検討~無作為化オープンラベル試験~ / 著者:池松秀之 (日本臨床内科医会)、岩城紀男 (日本臨床内科医会)、河合直樹 (日本臨床内科医会) / 資料名:日本臨床内科医会会誌 巻:26 号:2 ページ:215-219 / 発行年:2011年09月10日

インフルエンザの予防に、リレンザの処方を受ける

タミフルの予防投与が認可されてから遅れること3年、リレンザの予防投与は2007年1月に認可されました。

リレンザの予防投与については、希望した時点ではインフルエンザという診断がされていないため、費用の全額を自己負担で支払う自由診療になります。

予防投与が受けられる患者の条件

予防投与が受けられるのは、インフルエンザにかかった患者の同居家族と共同生活者です。最終的には医師が必要と判断した場合に可能となります。

とはいえこれはあくまで原則です。実際に予防投与が受けられるのは、インフルエンザにかかることで重症化につながる危険性がある方が優先されます。

リレンザをを予防に使う場合、インフルエンザを発症している患者と同居する家族や共同生活者が対象です。

  1. 65歳以上の高齢者
  2. 慢性心疾患患者
  3. 糖尿病などの代謝性疾患患者
  4. 腎機能障害患者

予防で使用する際の注意点

リレンザを予防目的で利用する場合の注意点は2点です。

  1. インフルエンザ患者に接触した後、1.5日以内に予防投与する
  2. リレンザの予防効果は、薬を続けて服用している期間のみ持続する

1つ目は「症状が出たら早めに使用する」という、リレンザの正しい飲み方の注意点と同じ意味合い。患者と接触した場合、感染の有無を問わず早めに服用してウイルスの増殖を抑えこむ方法です。

問題は2つ目。リレンザによるインフルエンザの予防効果は、吸引している期間だけ、使い終わったら効果もなくなるということです。リレンザを予防で使用する場合、1日1回の吸引を10日間続けます。10日で1セットを使い切るため、10日間以上の期間で予防をしたい場合は、薬を買い増して使用期間を延長しなければなりません。

インフルエンザの季節だからといって、リレンザで常時予防しておくという使い方は現実的ではありません。保険がきかない自由診療で購入することを考えると、費用負担が大きいからです。

インフルエンザの重症化が想定されるお年寄り、インフルエンザの流行中に試験をむかえる受験生、人混みの中に小さいお子さんを連れて行かざるをえないときなど、予防投与はここぞというときのために取っておいた方がいいでしょう。

予防目的で購入すると7000円前後

リレンザの薬価は1包(ブリスター)173.5円です。予防を目的にリレンザを服用する場合は、1日1回2包を10日間飲み続けます。合計で20包が必要となるので、単純な薬の価格は3470円です。

薬の価格に医療機関ごとの受診費用(初診料など)が加算されるため、合計で5000円から7000円前後がかかると考えられます。

耐性を気にする医師はリレンザ推し

病院でインフルエンザの診断を受けた後、希望する薬としてリレンザを指定すれば処方が受けられます。

病院ではタミフルの処方数が圧倒的に多いものの、なかにはリレンザを優先的に処方している医師もいます。以下に意見をまとめました。

リレンザを第一選択薬とした医師のアンケート
耐性は少なく、再発熱も少ない。どうみても周囲より優れていると思います。(50代、一般内科)
耐性への問題、早期からの解熱効果はリレンザがベストです。(50代、小児科)
耐性ウイルスの報告もなく、B型に対しても効果が高いと聞きました。(50代、一般内科)
耐性が確認されておらず、一発勝負でないところが安心できる。(40代、呼吸器内科)
A型インフルエンザウイルスに対して耐性が出てなく、吸入から効果発現まで短時間で済むため。(50代、一般内科)

上記をみると、リレンザを処方していた医師は、特に耐性ウイルス対する影響からリレンザを処方しています。

実際に、2011年に発表された研究のなかでも、リレンザは耐性ができにくいインフルエンザ治療薬だという結論が出ています。タミフルによる治療を受けた患者からは耐性ウイルスが検出されたものの、リレンザによる治療を受けた患者からは耐性ウイルスは検出されなかったことが報告されたのです。最終的には、リレンザは吸入可能な小児患者にとって優れた治療薬である可能性が示唆された、と結論付けています。

参考:Frequency of Drug-resistant Viruses and Virus Shedding in Pediatric Influenza Patients Treated With Neuraminidase Inhibitors

病院でリレンザが優先的に処方される理由としては、熱が下がるまでの時間が短く、耐性が少ないという点があげられそうです。