タミフルの成分

タミフルの成分・オセルタミビルとは?

更新日:2015年08月24日 (公開日:2015年08月24日)

インフルエンザウイルスの増殖を抑える薬・タミフルにはどんな成分が含まれているのでしょうか?また大人と子どもでは、処方されるタミフルにどんな違いがあるのでしょうか?タミフルに含まれる成分・オセルタミビルについて詳しく解説します。

タミフルの成分はオセルタミビル

タミフルに含まれている有効成分は、オセルタミビルリン酸塩(Oseltamivir phosphate)です。

病院などで処方されるタミフルには、薬の形状が異なる2種類の商品があります。カプセルのなかに粉末状の有効成分が入っているタミフルカプセル75。有効成分を小さな粒状にした粉薬で、水と混ぜて飲むタミフルドライシロップ3%です。

大人も子どもも成分は同じ

タミフルカプセル75は、カプセル1つのなかにオセルタミビルリン酸塩を98.5mg(オセルタミビルとして75mg)を含んでいます。タミフルドライシロップ3%は、粉末1gのなかにオセルタミビルリン酸塩を39.4mg(オセルタミビルとして30mg)を含んでいます。成人には口に入れやすいタミフルカプセルが、幼小児には飲み込みやすいタミフルドライシロップが処方されます。

子どもは体重に応じて成分量を調節

成人なら1回に1カプセルを使用するので分かりやすいのですが、粉末で処方されるタミフルドライシロップは体重によって服用量が変わってきます。タミフルドライシロップ剤の服用量は、体重(kg)×66.7mg(有効成分オセルタミビルの量としては、体重×2mg)が目安です。大人と子供では飲む量は異なりますが、いずれもオセルタミビルを摂取して、インフルエンザウイルスの増殖を防ぎます。

オセルタミビルが含まれる薬はタミフルだけ

2015年現在、厚労省から認可されて国内で販売されている薬には、タミフルの他にも抗インフルエンザ剤が4種類あります。

ザナミビル水和物(商品名・リレンザ)、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(商品名・イナビル)、ペラミビル水和物(商品名・ラピアクタ)、アマンタジン塩酸塩(商品名・アテネジン)があります。しかしタミフルと同じ成分の薬、同じオセルタミビルを含む薬は販売されていません。

オセルタミビルは米国生まれの成分

タミフルの有効成分であるオセルタミビルが開発されたのは1996年。開発したのは米国を拠点とする世界第2位のバイオ製薬会社「ギリアド・サイエンシズ」です。

ギリアド・サイエンシズ社は、タミフルの他にもエイズウイルス(HIV)への感染を予防する薬・ツルバダ、C型肝炎の治療薬・ソバルディやハーボニーなど、様々な新薬開発の実績があります。ギリアド社はタミフルを開発した後、スイスの医薬品大手ロシュ・ホールディングに製造・販売等のライセンスを供与。世界独占特許権を保有しロイヤリティ収入を得ています。

オセルタミビルは八角から合成される

オセルタミビルは、中華料理などで香辛料として使われるトウシキミの果実「八角」を原料としています。八角に含まれる成分・シキミ酸を原料に、10回の化学反応を経て生産されていました。

八角自体は北京ダックや杏仁豆腐にも使われる香辛料なので、香辛料がインフルエンザの薬に変化すると聞くと妙な感じです。タミフルドライシロップのにおいをかぐと、どことなく杏仁豆腐のにおいがするのは、八角の影響かもしれません。

なお、現在では八角だけに頼らず、遺伝子組替え大腸菌などによってシキミ酸を生産しています。またシキミ酸を用いずにタミフルを合成する研究も日々行われています。

オセルタミビルの作用機序

インフルエンザウイルスが体内で増殖するには、ノイラミニダーゼというタンパク質が不可欠です。新しく作られたウイルスが元のウイルスから離れるタイミングで、オセルタミビルが効果を発揮します。離れようとする新たなインフルエンザウイルスを邪魔することで、増殖を抑えているのです。オセルタミビル(タミフル)はノイラミニダーゼの働きを邪魔するので、ノイラミニダーゼ阻害薬と呼ばれます。

作用からも分かるように、感染の拡大を防ぐまでがオセルタミビルの働きであって、ウイルスを殺すような働きはしません。インフルエンザウイルス自体は体内に残ります。最終的にウイルスに感染した細胞を破壊するのは、自身の体内にある抗体や細胞なのです。

まとめ

タミフルの成分や作用はいかがでしたか?最後にこのページの内容をまとめます。

タミフルの成分をまとめると・・・
タミフルの成分は、オセルタミビルリン酸塩
大人用も子ども用もタミフルの成分は同じ
子どもは体重からオセルタミビルの量を調節する
オセルタミビルは香辛料の八角から開発された
オセルタミビルはインフルエンザウイルスの遊離を抑える

以上がタミフルの成分や作用について知っておきたいおおまかな要点です。

オセルタミビルは、インフルエンザウイルスに直接作用します。宿主細胞から別の細胞へと感染を拡げる時に必要な、ノイラミニダーゼという酵素を阻害します。あくまでも感染の拡大を阻止するだけなので、最終的には感染者自身の体内にある細胞がウイルスを排除するのです。風邪と同じように、薬を飲んだら体を休めることが治癒への近道といわれる所以は、このあたりにあります。