タミフルの注意点

タミフルの注意点・使用できない患者は?

更新日:2015年08月24日 (公開日:2015年08月24日)

タミフルはインフルエンザに感染して発病してしまった場合でも、症状がピークになる前に服用をすることで、高熱等のひどい症状が出るのを抑えることができる便利な薬です。しかし妊婦や授乳中の場合、タミフルを服用しても問題ないのでしょうか?お腹の胎児に影響が出るようなことはないのでしょうか?

妊婦への影響に関して、タミフルの添付文書や日本産科婦人科学会のリリースを参照しながら紹介していきます。

タミフルの妊婦への影響

授乳中の妊婦は併用禁忌と呼ばれている薬が沢山あります。授乳中の妊婦はとにかく併用禁忌とされている薬は飲んではいけませんし、飲酒や喫煙もいけません。もしも併用禁忌と呼ばれている薬を飲んでしまったり飲酒や喫煙をしてしまった場合、お腹の中の赤ちゃんに影響を与えてしまうこともあるからです。

タミフルが飲めないのは、過去にアレルギーを起こした患者だけ

タミフルの添付文書や医薬品インタビューフォームをみてみると、禁忌の項目には過敏症の既往歴(アレルギー症状を起こしたことがある)とだけ記載されています。妊娠中の女性や授乳中の女性とは記載されていないので、妊婦でもタミフル自体は服用できます。

添付文書に記載された妊婦への投与について

さらに詳しく見てみると、「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項目のなかでは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与することができる、と記載されています。

その理由は、妊娠したネズミで実験した際に、タミフルの成分・オセルタミビルが胎盤を通って胎児へ流れたためです。その後、胎児に影響があったのかなかったのかは、この資料からは読み取ることができません。

タミフルを服用しても胎児には問題なかった

2009年に日本産科婦人科学会が出したお知らせには、妊婦のタミフル服用に関して、もう一歩踏み込んだ内容が書かれています。

タミフルは胎児に大きな異常を引き起こすことはないのか?という質問に、「胎児に問題があったという報告がない」と回答しています。2008年のデータでは、推定で4万人程度の妊婦がタミフルを服用しましたが、胎児に問題があったとの報告はあがってきていません。

また、タミフルを服用した妊婦の流産(5.1%)や早産(5.1%)などが報告されているものの、割合自体は一般的な流産の割合(15%)よりも低く出ています。2008年の国内データによる早産の割合(5.8%)からも、タミフルを服用した妊婦の報告数は異常な値ではない、タミフル服用によって流産や早産は増えないと結論づけています。

胎児への影響と妊婦自身の病状を天秤にかける、などという状況は好ましくありません。ましてやタミフルの服用をためらった結果、インフルエンザが重症化し、高熱が続くことで胎児に悪影響が出る可能性も十分にありえるのです。

現時点ではタミフル服用による問題は見つかっていない

日本産科婦人科学会による2011年の報告では、妊娠初期、中期、後期のいずれの期間についても抗インフルエンザ薬の使用が推奨されています。

現時点(2017年)の情報からは、妊婦へのタミフルの投与について、重大な副作用は認められていません。タミフルを飲むことによるインフルエンザウイルスの抑制が胎児への危険性を上回っていると判断してよいでしょう。

どの抗インフルエンザ薬を飲むかは医師と要相談

なお、同学会による2014年の報告では、妊婦に処方される抗インフルエンザ薬は、シーズンによって効き目が異なるとされています。2014年のウイルスに対してはタミフルが効きにくい。リレンザやイナビルなど、別の抗インフルエンザ薬の方が有効だったと報告されています。

知らないことで不安になったり、安全性が認められている薬も飲まずに悪化させてしまうことにもなりかねません。妊娠したことが分かったら、早い時点でワクチンの摂取を行いましょう。正しい治療の情報を集めて対処することで、健康な赤ちゃんを無事に出産することができます。

タミフルといっしょに飲むと危険な薬はあるの?

添付文書にもあるように、タミフルには併用禁忌薬とされているものはありません。極端ですが、いっしょに飲むと危険な薬は特になし、ということになります。

併用する解熱鎮痛剤には注意

実際にインフルエンザにかかった際、薬局などでも購入できるロキソニンやバファリンのような、鎮痛剤の服用は待ったほうがよいでしょう。ロキソニンやバファリンのような鎮痛剤については、ライ症候群や脳症を誘発する危険があり、現在はインフルエンザの際に病院が投与することもなくなっています。

正確にはロキソニンの方は作用のメカニズムが異なるので、危険性はまだ少ないといえます。近年では解熱鎮痛剤の中でも、安全性の高いアセトアミノフェンが併用されますが、その場合でも体温低下などの恐れがあります。自身で判断せずに最初から病院を受診した方がよいといえます。

抗アレルギー薬については、ぜんそく持ちのこどものけいれん防止などで利用される場合もありますが、こうした抗アレルギー薬のようなものについても、素人判断ではなく、信頼できる医師の指示に従うべきでしょう。